
四十肩・五十肩とは?
「四十肩」、「五十肩」とは、肩の関節がスムーズに動かなくなることで発症する関節痛の一種です。
これといったきっかけがなく痛みが発症し始め、数週間から数カ月かけて徐々に悪化していきます。
肩を上げたり、後ろに動かしたりしたときに、ピリッと刺すような痛みを感じてしまうため、日常生活の何気ない動作がしづらくなります。
四十肩、五十肩は加齢よって発症する腱板の炎症によるものと言われています。
四十肩、五十肩は症状の悪化が進むと夜も寝られない程の激痛に至り、日常生活の大きな妨げになってしまいます。
また再発、慢性化しやすい肩痛でもあり、回復に数か月と長期に渡るケースも珍しくないので、対処には慎重な姿勢で臨む必要があります。
始めて四十肩、五十肩なった人の多くは、筋肉の緊張、凝りなどからくる肩こりと勘違いしてしまいがちです。
そのため長期間放置して悪化させてしまわないよう、40歳を迎えた方は、四十肩・五十肩の症状はしっかり把握しておくようにしましょう。
四十肩と五十肩の違い
肩痛で四十肩、五十肩という言い方をよく耳にしますが、両者の違いをご存じでしょうか?
実は、四十肩と五十肩は発症したときの年齢の違いだけで、症状、施術方法などに違いはありません。
その名の通り40代で症状が出れば「四十肩」、50代で症状が出れば「五十肩」と言います。
正式名称は、「肩関節周囲炎」と言いますが、「40歳以上の人に発症しがちな肩痛」というニュアンスから、昔から「四十肩」、「五十肩」と呼ばれています。
四十肩、五十肩の原因
四十肩・五十肩の原因は実のところ、はっきりとわかっていません。
人間は老化が進むと次第に関節や筋肉、肩周辺組織が固くなったり縮んだりして柔軟性が低下し、スムーズに動かなくなり始めます。
これに伴い、肩の関節にある「腱板」という組織が炎症を引き起こし、その炎症が「関節包」にまで広がることが四十肩・五十肩の痛みの直接的な要因として考えられています。
その他に生活習慣やストレスといった間接的な要因も四十肩、五十肩の原因と考えられています。
そのため、四十肩・五十肩は特定の対処法だけでは回復に至らないことも珍しくはありません。
痛みを招く原因の様々な視点での模索が四十肩・五十肩の改善には、必要になる場合があります。
発症した人の多くは、症状がなかなか改善しないことを理由に根治をあきらめてしまいがちです。
しかし四十肩・五十肩に詳しい整骨院は、様々な対処法を熟知しています。
適切な施術、生活指導等によりなかなか治らない痛みでも、四十肩・五十肩の改善は十分に期待することが出来ます。
四十肩、五十肩の症状
四十肩・五十肩は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ肩関節に痛みが発症します。
そのため、腕を持ちあげるような動きや水平に保つことが難しく、中でも腕を外側に回すような動きをしたときには強い痛みを感じます。
そのため、四十肩・五十肩が発症してしまうと、
- 歯を磨くとき
- 入浴時に身体を洗う、シャンプーをするとき
- 髪を後ろに束ねるとき
- 衣服を着替えるとき
- 高い位置にある物に手を伸ばそうとしたとき
- 洗濯物を干すとき
- ネックレスを外すとき
- 電車のつり革をつかむとき
など日常の何気ない動作で痛みを感じてしまい、その不便さにストレスを溜め込んでしまいます。
四十肩、五十肩の症状は、大きく「急性期」、「慢性期」、「回復期」の三つに分けられます。
それぞれの症状は、痛みの強い「急性期」と、痛みは落ち着いているが思うように肩が動かせない「慢性期」、痛みが改善に向かう「回復期」に分けられ、四十肩・五十肩になった人の大半は、経過と共に痛みは改善していきます。
急性期
四十肩、五十肩の症状が表れてから最も痛みを強く感じるまでの期間
- 肩の周辺に重苦しさを感じ始め、関節にピリッとした痛みを感じる
- 肩周辺、腕の感覚が鈍くなり、同時に肩、首などに緊張感を感じる
- 肩を動かす際にズキズキとうずくような痛みを感じる
- 肩を動かさなくても痛みを感じ、痛みで寝つけない、夜目が覚めてしまうことがある
慢性期
急性期以降、痛みは落ち着いているが思うように肩が動かせない期間
- 関節が硬くなり、可動域が狭くなる
- 過度に肩を動かしたとき、強い抵抗間を感じる
- 肩を動かさないときの痛みが軽くなる
回復期
慢性期から痛みが改善するまでの期間
- 徐々に痛みが軽くなり、肩の可動域も広がる
- 動かしても肩に痛みを感じなくなる
四十肩、五十肩の施術方法
整骨院では、四十肩、五十肩の改善に効果的な施術に対応しています。
電気施術(急性期、慢性期)
治療機にて発生させた周期的(低周波・高周波)な電気パルスを身体に付けた+極と-極の電極を介して痛みを感じる部位に流します。
身体への周期的な電気は、筋肉を伸縮させ、血液を送り出す作用があり、これを繰り返すことで血行が促進されます。
手技療法が困難な急性期に非常に有用な施術で、これを繰り返すことで、筋肉の働きを回復させ、痛みを和らげてくれます。
手技施術(慢性期・回復期)
四十肩・五十肩では、肩を動かさないことにより、関節や筋肉が硬くなってしまっています。
もとのスムーズな肩の動きを取り戻すために、痛みを感じない範囲で筋肉の緊張と肩の動きを手技療法にて改善します。
根本施術(回復期以降)
背骨・骨盤など歪みは、肩関節・肩甲骨・肘・手首などにも歪みを招きます。
これらの歪みは、肩周りや肩関節の筋肉の緊張、過度な緩みを引き起こします。
四十肩・五十肩になる人の多くは背骨・骨盤に歪みを抱えている場合が多く、再発防止を目的に、当院では回復期以降の定期的な根本施術をおすすめしています。
背骨や骨盤・肩関節・肩甲骨・肘・手首を矯正し、歪みを解消することで四十肩・五十肩だけでなく、肩、首、腰などの不調や痛みの発症も予防してくれます。
鍼灸施術(急性期、慢性期)
鍼やお灸には、血流を改善し、痛みを和らげる効果が期待できます。
四十肩・五十肩では痛みにより、筋肉は常に緊張状態に陥っています。
硬くなってしまった筋肉は血管を圧迫してしまうので、血流を低下させてしまいます。
硬くなった筋肉に鍼(ハリ)を打つと、硬くなった筋肉を緩め、血流を良くしてくれます。
まとめ
四十肩・五十肩の原因、症状、施術方法について紹介させて頂きましたが、早期対処はもちろん、その後の予防策の重要性をご理解して頂けたでしょうか?
最後に今回紹介させて頂いた要約をまとめとして、以下に記載させて頂きます。
- 「四十肩」・「五十肩」は腕が上がらない、上げようとしたり、後ろに回そうとしたりすると痛みを感じる肩痛の一種
- 加齢によるもので、筋肉の緊張、凝りによる「肩こり」とは痛みの原因が全く異なる
- 数週間から数か月かけて徐々に痛みが発症するため、気が付きにくい
- 長期間放置すると安静時にも痛みを感じる程、悪化してしまう
- 原因ははっきりわかっていないが、直接的要因としては筋肉、関節の硬化によって引き起こされる肩関節の炎症と考えられている
- 加齢に加え、生活習慣、ストレスなども間接的な要因として考えられている
- 「四十肩」・「五十肩」の施術には電気、手技、鍼灸、根本施術などがある
- 「四十肩」・「五十肩」になる人の多くは、背骨や骨盤・肩関節・肩甲骨・肘・手首に歪みを抱えている人が多い
- 根本施術の定期継続は、再発防止に高い効果が期待できる