腰痛治療の通院頻度はどれくらいが最適

成人で、腰痛を経験したことのない人は、1人もいないのではないでしょうか。人間は他の動物と違って2足歩行なので、体の大部分の重みが腰にかかっています。立っているときは、その重みを腰だけでなく膝にも分散できますが、椅子に座った状態ではすべてが腰にかかります。そのため、人が腰痛になるのは宿命みたいなものなのです。腰痛がひどくなれば病院に行くことになりますが、腰痛治療の通院頻度はどれくらいが最適なのでしょうか。
 

腰痛治療の通院頻度

腰痛がひどい場合は、できるだけ毎日、長期間通院する必要があります。それほどひどくない腰痛であれば、2日~3日に1度くらい通院するのがいいでしょう。そして腰痛が落ち着いてきたら、週1回程度に減らしてもかまいません。腰痛の原因は、日常生活のあらゆる場面に潜んでいます。

仕事や家事、育児など、腰に負担がかかる動作は数多くあるので、腰に負担をかけずに生活するのは困難なのです。腰痛には慢性的なものが多く、治療に時間がかかります。しかし、ぎっくり腰、スポーツによる負傷、打撲などが原因で起きた腰痛は、ただちに病院に行き、症状が落ち着くまで毎日通院することをおすすめします。多くの場合1週間ほどで症状が落ち着くので、2週目からは週3回、3週目は週1回くらい通えばいいでしょう。
 

なぜ腰痛が起こるのか

腰痛が起こる原因はいろいろありますが、実際には原因が特定できないケースがほとんどです。主な原因として、圧迫骨折、椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄などが挙げられますが、細菌感染やがん、臓器や血管などの病気が遠因となって、腰痛が起こる場合もあります。そのため、たかが腰痛と思って放置していると、実は重篤な病気のサインであることもあるので、いつまでも痛みが続くようなら必ず病院を受診しましょう。腰痛は重いものを持つなど、腰に負担がかかることで起こる場合が多いのですが、ストレスや不安などが原因となって起こるケースもあります。
 

腰痛の原因となる病気

腰痛は原因がわからない場合が多いのですが、以下のような症状があると腰痛を引き起こします。

腰椎椎間板ヘルニア

椎間板は腰椎と腰椎の間にあります。この椎間板の外側が破れて、中の髄核の一部が飛び出した状態が腰椎椎間板ヘルニアです。飛び出した髄核が、脊髄神経根を圧迫するので痛みが生じます。悪化すると坐骨神経痛を引き起こし、尻や足に痛みや痺れが広がります。長い距離を歩いたり、重い荷物を運んだりすると悪化することがあります。

腰部脊柱管狭窄症

椎骨や椎間板が、加齢によって劣化したり骨の突起ができたりして、神経が通る脊柱管が狭くなり、中の神経が圧迫されて痛みや痺れが生じます。歩いただけで痛みが出ますが、前かがみになると和らぎます。また、尻や足に痛みが出ることもあります。

骨粗しょう症

年齢とともに、骨密度が下がって骨がスカスカになり、折れやすくなる状態です。この状態で骨折すると圧迫骨折となり、脊髄神経根が圧迫されて痛みが生じます。
 

重篤な病気が原因で起こる腰痛

腰痛は、内臓の病気や神経、血管などの病気が原因で起こることがあります。内臓ががんに侵されたために、腰に痛みが出ることもあるので、ただの腰痛だと思って放置していると、手遅れになることもあるので注意が必要です。また、脊椎の腫瘍・感染・炎症・外傷などが影響している場合もあります。

特に化膿性脊椎炎、脊椎カリエスなどの脊椎感染症や、変形性股関節症、尿路結石、子宮内膜症、解離性大動脈瘤などの病気が原因で、腰痛が起こることもあります。これらの中には、命を脅かす病気も含まれているので十分注意が必要です。腰痛が長引くようなら、病院で診てもらうようにしましょう。
 

生活習慣に起因する腰痛

腰痛の約85%は、レントゲンやCT、MRIなどで検査しても、原因がわからない非特異的腰痛です。猫背や中腰の姿勢を続けると、腰や背中の筋肉が張り詰めるため、腰痛を引き起こすことがあります。また、運動不足で腰の筋肉が弱っていたり、寒さで筋肉が固くなりやすい冬場にも、腰痛が起こりやすくなります。

普通は少し休養すれば治ることが多いのですが、疲労が激しかったり心因性のストレスなどが重なると、長期間にわたって腰痛が続くこともあります。ちなみに、ぎっくり腰などの急性の腰痛も、原因がハッキリしない非特異的腰痛の1つです。

腰痛は、労働環境や生活習慣によって起こるケースも多く、腰に負担のかかる重労働や体を曲げたりひねったりする作業も、腰痛の原因になりやすいので注意が必要です。腰痛は重労働だけでなく、デスクワークでパソコンに向かって、長時間同じ姿勢を続けたり、タクシーやトラックの運転手のように、運転のために同じ姿勢を続ける場合にも起こります。

これは同じ姿勢を続けることにより、腰などの筋肉がこわばることが原因とされています。さらに、仕事の重圧や人間関係のストレスなども、腰痛の長期化に影響することがわかっているため、腰痛をなくすにはストレスフリーな職場環境が大切です。

女性特有の腰痛

腰痛には、妊娠や生理などが原因で起こる、女性特有の症状もあります。生理痛がひどいと、下腹部の痛みだけでなく、腰痛を引き起こす場合もあります。また、妊娠中は大きなお腹をかばう姿勢を取ったり、お腹が出た分だけ体の重心が変わって、体をそらして歩くようになるため、腰痛を起こしやすくなります。

さらに、妊娠の中期以降は子宮が大きくなるため、骨盤の周囲の筋肉が引っ張られ、腰痛の原因になることもあるので注意が必要です。出産後は育児や夜泣き、授乳など慣れない環境に対応しきれず、ストレスを抱え腰痛が慢性化することも少なくありません。さらに、女性は更年期になるとホルモンバランスが崩れるので、体調不良を起こし腰痛につながることもあります。
 

すべての腰痛の原因は2足歩行

冒頭でも少し触れましたが、突き詰めて言うと、人間の腰痛の原因は2足歩行にあると言っていいでしょう。4足歩行する他の動物には、腰痛はないと言われています。人間の腰だけが、垂直に体の重みを受けるために大きな負担がかかり、腰痛を引き起こすのです。垂直にかかる体重を分散するために、人間の背骨は少し曲がっており、腹圧が腰椎を支えて腰への負担を減らしています。

さらに、腰椎と腰椎の間にある、椎間板がクッションの役目をして、衝撃を吸収する構造になっています。人間は直立歩行するようになってから、このような構造を取り入れて、腰にかかる負担を減らすように進化してきましたが、それでも2足歩行による腰への負担を、すべて解消できたわけではありません。人間が2足歩行をする限り、腰痛はついて回るものと考えるしかなさそうです。
 

まとめ

腰痛治療の通院頻度は、腰痛がひどければ毎日通ったほうがいいでしょう。それほど痛みがひどくなければ、2日~3日に1度くらい通院して、腰痛が落ち着いてきたら、週1回程度に減らしてください。腰痛の原因は、日常生活のあらゆる場面に潜んでいます。仕事や家事、育児など、腰に負担がかかる動作が多いので、腰を痛めないように生活するのは困難でしょう。

腰痛は85%が原因不明とされており、原因がつかめないため、しっかりした治療ができないという問題があります。腰痛は打撲や筋肉痛によるものなど、比較的軽い症状も多いのですが、中には細菌感染やがん、臓器や血管などの病気が原因となって起こる場合もあるので、注意が必要です。また、女性の場合は出産や生理に起因する腰痛もあります。