整体院と整骨院の違いについて

整体院と整骨院の違いについて

整体院と整骨院は、名前が似ていますが具体的にどう違うのでしょうか。違いがわからないと、体調が悪くても、どちらに行ったらいいのかわかりません。整体院と整骨院が近くにあっても、どちらがどんなときに行く施術院なのかがわからないと、困ってしまいます。この記事では、整体院と整骨院の違いについて解説しましょう。
 

整体院とは

整体院を開くには、「柔道整復師」と「あん摩マッサージ指圧師」の2つの資格が必要ですが、後述しますように、国家資格のいらない整体院もあります。国家資格があると保険診療が可能で、使用できる電気機器も多くなるなどのメリットがあります。また、整体院の屋号に「整骨」「接骨」「マッサージ」などの文言を使用できるのは、国家資格を持っている場合だけです。この2つの資格を取得するには、専門学校などで3年以上学び、国家試験を受ける必要があります。

専門学校は3年制で、費用も200万円前後かかります。つまり、整体院を開くには、それなりに時間もお金もかかるのです。ちなみに、国家資格がなくても整体院を開業することはできますが、その場合は民間団体などに所属して、その団体が認定する資格を取得した上で、その団体の系列店などで整体師として働くことになります。要するに、国家資格がない場合は、整体師として働くにも整体院を開業するにも、ある程度の制約があることになります。
 

整骨院とは

整骨院では、柔道整復師の国家資格を持つ人が施術します。整骨はほねつぎとも呼ばれる伝統的な療法で、江戸時代から民間に伝わってきた、打撲、脱臼などの症状を治す施術法です。つまり、整骨とは江戸時代から受け継がれてきた伝統療法で、それを現代では柔道整復師という、国家資格を持つ人が施術しているのです。

国家資格保持者が施術するので、整骨院で治療を受けると健康保険が適用されます。ただし、健康保険が使えるのは骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷の施術のみです。柔道整復師は、接骨院の施術師やスポーツトレーナーとして、骨折や脱臼、打撲、捻挫、挫傷などに対し、手術をしない「非観血的療法」によって施術します。

柔道整復師は、整復法、固定法、後療法によって治療を行います。整復法とは骨折や脱臼を治す療法で、固定法は骨折や脱臼した部分を固定して治癒を促すものです。後療法とは、損傷した組織を回復させる治療法で、「物理療法」「運動療法」「手技療法」の3つがあります。これらの治療技術を習得し、国家資格を取得した人が柔道整復師になれるのです。
 

整体と接骨の治療の違い

整体では、体を支える骨盤や背骨を調整し、骨のずれや異常を正常にすることによって、体の健康を取り戻します。骨盤や背骨がアンバランスだと、いろんな箇所に無理な力が加わって筋肉が凝るために、ストレスや疲労が溜まります。これが原因で、体調を崩した状態を正常にするのが整体なのです。

整体治療によって筋肉の凝りがほぐれ、血流が良くなるので捻挫などの治りも早くなります。整体のベテラン施術師は、患者の体に触れるだけで骨の微妙なずれや歪みがわかるので、まだ本人が気づいていない異常を早期に発見して、症状の悪化を防ぐこともできます。

整骨では打撲や脱臼などの治療を行いますが、施術の際は低周波治療器などを使うのが一般的です。特に脱臼の治療は、資格を持つ人が行わないと、靭帯や関節を傷つけるおそれがあるので、必ず整骨院で有資格者に整復してもらうことが大切です。
 

整体には癒し効果もある

整体は、体の痛みの緩和のほか、リラクゼーション効果や美容効果、姿勢が良くなる、運動パフォーマンスの向上などの効能もあります。整体治療を受けると筋肉の凝りがほぐれ、血行が促進されるので、リラクゼーション効果が生まれます。この効果により、肉体的にも精神的にも安定するため、癒し効果を求めて整体院を訪れる人も多いようです。
 

整体院と整骨院のどちらを選ぶか

体に不調があるときに、整体院と整骨院のどちらを選んだらいいかわからないと困ってしまいます。そんなときは、「癒し」や「 長く続いている痛みの解消」が目的なら、整体院を選ぶといいでしょう。これに対して、骨折や脱臼などの処置には整骨院が適しています。

整体では揉んだりほぐしたりする施術が多いので、血行が良くなりゆったりした気分になれるのでリラクゼーション効果があります。体の筋肉がほぐれると、副交感神経が活性化して、体の緊張が緩和することがわかっています。その結果、体の凝りやストレスが解消するので、癒しの効果が得られるのです。しかも、整体ではマッサージとは違って、ただ単に体を揉みほぐすだけではなく、体の歪みやずれも治していく施術法なので、「長く続いている痛みの解消」にも役立ちます。

これに対して、整骨院では関節や筋肉、靭帯などの痛みやトラブルを改善します。スポーツや日常生活、仕事などで骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷などの傷を負ったら、すぐに整骨院に行きましょう。つまり、突然の怪我など緊急性のある症状の場合に駆け込むのが、整骨院なのです。

整骨院の治療対象は、整形外科で扱う治療内容に似ていますが、整骨では骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷のみが保険対象となるのに対して、整形外科ではもっと広い範囲の症状も、保険適用となる点が違います。また、整形外科ではレントゲン、CT、MRI、血液検査なども可能ですが、これらの検査は整骨院ではできません。そのため、大きな怪我や骨折なら整形外科、それほど大きな怪我でなければ通いやすい整骨院を検討するのがよいでしょう。

また、最近では整体にも対応した整骨院もあるのでそういった場合には整骨院の方が安心感はあるかもしれません。
 

柔道整復師と介護

2000年に施行された介護保険法により、柔道整復師は介護予防のための、身体機能訓練を指導することができるようになりました。そのため、柔道整復師の資格を持つ整骨師は、介護予防のための筋力トレーニングや、機能回復訓練を指導することも可能です。つまり、整骨院だけでなく、介護予防関連事業も、並行して行うことができるのです。

柔道整復師の資格があれば、「介護予防機能訓練指導員」として活動することもできます。そこで、高齢者が介護が必要になる前に、筋力トレーニングや、機能訓練を指導することもできるのです。また、柔道整復師は骨折や脱臼治療の専門家ですから、高齢者が転倒しても的確な処置ができるので、高齢者関連事業を行うのに打ってつけと言えるでしょう。

このように、柔道整復師のいる整骨院は、今後ますます事業を拡大できる可能性があります。日本は少子高齢化の波が止まる気配がなく、ますます高齢者が増えていくと予想されるので、柔道整復師の資格を持つ整骨院の需要は、さらに大きくなっていくものと思われます。
 

まとめ

整体院と整骨院は名前が似ているので、どんな症状のときにどちらに行ったらいいのかわかりません。整体院は、基本的に国家資格がなくても開業できますが、整骨院を開業するには、柔道整復師の国家資格が必要です。整骨とは江戸時代から続く伝統療法で、骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷の治療を行います。これに対して整体は体を揉みほぐして筋肉の凝りを取り、全身をリラックスさせて体調を改善するものです。

柔道整復師の資格があると、「介護予防機能訓練指導員」として活動することができ、介護予防のための筋力トレーニングや、機能訓練を指導することもできるので、新たな事業拡大も可能です。日本の少子高齢化は、ますます加速していくことが予想されるので、整骨院と並行して高齢者の介護予防訓練施設などを、併営することもできます。